労災特別加入制度

 労災保険は、事業主に使用され賃金を受けている者、すなわち労働者の業務上の理由または通勤による災害に対する保護をおもな目的とする制度でありますから、事業主、自営業者、家族従事者など労働者以外の災害は本来ならば保護の対象とはならないとされています。また、労災保険法の適用については、属地主義により日本国内の事業場に限られており、海外の事業場に派遣された者の災害は原則として労災保険の保護の対象とはならないとされています。

 しかしながら、中小企業、事業主、家族従事者などの中には、その業務や通勤の実態、災害発生状況等からみて労働者に準じて保護するにふさわしい者がいます。

 また、海外の事業場に派遣された者についても、派遣先国における労災保険制度の適用範囲や給付内容が十分でないために、我が国の労災保険による保護が必要な者がいます。そこでこれらの者に対しても、労災保険本来の建前をそこなわない範囲で労災保険の加入を認めようとするのが特別加入の制度であります。